2013年7月30日火曜日

これが日本のメイカーズだ!ウェアラブル、電動バイク、指輪、タブレット端末などなど。



モバイル+ハードウェアの事業がアツい』、『海外でデバイス関係のスタートアップが盛り上がっている理由』等のエントリで紹介してきたように、世界中でハードウェア関係のビジネスが盛り上がりを見せています。

日本のプレイヤーも例に漏れず素晴らしいプロダクトを開発していますので、今回はそれらの気になるプレイヤーを簡単に紹介してみようと思います。

Telepathy


TelepathyはGoogle Glassのようなウェアラブルデバイスで、網膜?に直接映像を映し出し、スマートフォンと連携することで、体験共有型のコミュニケーションを可能するのだとか。正直、まだ謎の多いプロダクトで、筆者もどう説明して良いか分かりません。

よくデモでは、モバイルの映像をデバイスに転送して目の前に映し出すという技術が紹介されています。ユースケースは未知数といったところ。

(余談:SXSW2013のイベントで初お披露目の際、そのプレゼンの様子を動画で収めたのですが、携帯が水没してしまいアップできず(´;ω;`)ブワッ)

enchantMOON


enchantMOONは、Androidベースの独自OSを使用した8インチのタブレット端末で、手書きの利点をそのままに、紙ベースでは不可能であった様々な操作を可能にしてくれるプロダクトです。詳しくはデモムービーをどうぞ。




 Live Shell


Live Shellは、ビデオカメラに取り付けることで、PCを使わずにどこからでもUstreamの配信を可能にするプロダクトです。

家電(Consumer Electronics)を革新(Revolution)するという理念のもと、様々なハードウェアを開発しているスタートアップ、CEREVOが開発しています。

Tera Motors


テラモーターズは言わずと知れた、日本の電動バイクメーカーで、国内でのシェアは既に№1、端からグローバルに事業を展開しているスタートアップです。

最近では、スマートフォンと連動した世界初の電動バイクを開発するなど、バイク+モバイルという角度からも新しいプロダクトを提供しています。

ちなみに、現在優秀なインターン生を募集しているようなので、メイカー系のスタートアップに挑戦したい学生は是非応募してみてください。→過去エントリ『Amazon創業者ジェフ・ベゾスは起業するために就職を選んだ

ガラポンTV


ガラポンTVは、地デジ放送8局を90日分、自動ですべて録画してくれるプロダクトです。録画した番組は、スマホやPCで視聴可能な上、番組内容をテキスト検索できる優れものです。購入後1ヶ月以内ならいつでも返品可能とのこと。

WHILL


WHILLは、車いすユーザーにもっと快適でかっこいい未来を提供してくれる、次世代のパーソナルモビリティです。

以前プロトタイプに乗せて頂いたことがありますが、前進後進、左右回転がハンドル部分の簡単な操作でスムーズに実行できる反面、多少動きに勢いがあるので操作に慣れるまで少し危ないかもな(周りの人に対して)といった印象でした。(まあ、乗り物なんてどれもそういうものか) 完成度は高いですし、慣れてしまえばすごく快適な乗り物だと思います。

【追記】

Ring

Ringは、ウエアラブル型のコントローラーです。身に付けるLeap Motionと表現すると分かり易いでしょうか。指を使用したジェスチャーによって、TVや音楽プレイヤー、スマートフォンなど様々なデバイスの操作を可能にします。



以上、気になる日本発のメイカーズでした。今後も随時追加していく予定です。

 

2013年7月18日木曜日

米Yahoo!マリッサ・メイヤー就任1年目の仕事、1年間で17社買収。株価は74%上昇。



元Googleの社員番号20番目のエンジニアであるマリッサ・メイヤーが米Yahoo!のCEOに就任して1年、彼女のCEOとしての仕事っぷりを評価する記事が面白かったのでご紹介します。

参照記事→『Marissa’s first year: How Mayer became Yahoo’s best CEO yet (Venture Beat)

株価は74%上昇



まず、株価ですが就任以降1年間で74%の上昇を記録したとか。
これは歴代のCEOと比較してダントツの伸び率なのだそうです。

あくまで上昇率なので、就任以前の会社の状況が異なるわけですから一概に比較できませんが、あのYahoo!がここまで市場から評価してもらえたのは大したものだと思います。また、中国EC大手のアリババが米Yahoo!から自社株の20%を買い戻したことが大きな要因であるとも推測されています。

1年で17社を買収


マリッサがCEOに就任して以降、有望なスタートアップを爆速で買収していきました。有名な例は15歳の少年が立ち上げたSummly、約11億ドルで買収されたTumblrなど。

ビックリするのはその買収の数!1年で17社を買収しています。米Yahoo!が創業以来買収した83社のうち20%以上がマリッサによる買収なのだとか。

以下、1年間で買収した企業です。(参照元)


1. Stamped: App that let you give a stamp of approval to your favorite bars, restaurants, songs, and apps. (Shut down)
2. OnTheAir: Short-lived online video site for people who wanted to stream to large audiences. (Shut down)
3. Snip.it: A Pinterest-like curation tool that let you “snip” content from the web, organize it, and share with friends. ($10 million price tag; Shut down)
4. Alike: Location discovery app that could find nearby places your friends also liked. (Shut down)
5. Jybe: App that recommended movies, books, restaurants, dishes, recipes, and reviews. (Shut down)
6. Summly: App that automatically shortened news articles for mobile devices. Deal included 17-year-old founder Nick D’Aloisio. ($30 million price tag; Shut down)
7. Astrid: Popular to-do list app for iOS and Android. (Shut down)
8. MileWise: Frequent flier search startup. (Shut down)
9. GoPollGo: Simple polling tool and app. (Shut down)
10. Loki Studios: Mobile gaming startup that created the game Geomon. (Shut down)
11. Tumblr: Blogging powerhouse with 300 million monthly unique visitors. ($1.1 billion price tag; Alive and kicking)
12. PlayerScale: Cross-platform game infrastructure startup with more than 150 million users tapping into it. (Alive and kicking)
13. GhostBird Software: Photo-focused mobile app startup behind KitCam and PhotoForge2. Will help the Flickr team. (Shut down)
14. Rondee: Conference calling app launched in 2006. (Shut down)
15. Bignoggins: One-man production company behind Fantasy Monster and Draft Monster. Going to Yahoo Fantasy Sports. (Shut down)
16. Qwiki: iOS app that takes your videos and photos and automatically turns them into brief movies. ($50 million price tag; Still alive for now)
17. Xobni: Startup that made plugins and apps to better manage your email. Will bolster the Yahoo Mail team. ($40 million price tag; Still alive for now)


Tumblrの大型買収後も6社の買収を行なっています。
買収後Tumblrを除くほとんどのサービスを閉鎖していることが特徴的ですね。

人材確保とモバイル分野での品質向上に余念がないことが伺えます。
関連エントリ→『米Yahooが17歳の少年に社運を賭ける、新体制マリッサ・メイヤーの一手

また、余談ですがTumblr買収前はヨーロッパのYouTube的ポディションであるDailymotionの買収を試みましたが、失敗しています。
関連エントリ→『米Yahoo!、Tumblrの次は1.5億人が利用するゲームプラットフォームを買収!Dailymotionの買収は失敗

その他にも記事では、米Yahoo!が惜しみなく過去のサービスをクローズしていることや、自宅勤務の廃止などの制度改革に取り組んでいることを高く評価しています。

筆者もマリッサのおばさまを応援していますし、まだまだ米Yahoo!には改革の余地があると思いますので、引き続き彼女の2年目の挑戦に注目していきたいです。

 

2013年7月16日火曜日

今、世界中の起業家が宇宙ビジネスに挑戦するワケ





AppleMicrosoftGoogleなど、世界を代表するIT企業を輩出しているテクノロジー産業の集積地シリコンバレーで、数年前から宇宙ビジネスが注目を集めています。

インターネット決済事業のPayPal、電気自動車メーカーのテスラモーターズの創業者である起業家のイーロン・マスク氏は2002年にスペースXを設立し、民間で宇宙輸送を可能にするロケットを開発しており、既に幾度かの飛行に成功しています。(→関連エントリ)

また、EC最大手Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏は、2000年にブルー・オリジンという宇宙ビジネスの会社を設立、2009年にはNASAの商業有人宇宙輸送開発計画の候補企業に選ばれていますし、Googleの創業者サーゲイ・ブリン氏も大の宇宙好きで、2015年までに民間の無人探査機を月に送り込む国際レースのGoogle Lunar X PRIZEを主催いるほどです。このレースには日本からもWhite LabelSpace(HAKUTO)というチームが参加しています(ファイト!)。

その他にも、Microsoftの共同創業者のポール・アレン氏、米国外だと英ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン氏や元ライブドア社長の堀江貴文氏も宇宙ビジネスへの投資に積極的です。

ではなぜ、このようにここ10年の間に民間で宇宙ビジネスへの投資が活発になってきたのでしょうか。



 アポロの月面着陸から30年以上…、なぜ宇宙旅行は普及しないのか

ヴァージン・ギャラクティック社のスペースシップⅡのイメージ



19697月、人類がはじめて月に着陸してから30年以上が経つというのに、我々が宇宙を身近に感じる機会は少ないですよね。ましてや、宇宙旅行など夢のまた夢だと考えている人がほとんどなのではないでしょうか。

要するに、有人飛行が一般化していないとうことなのですが、それは一体なぜなのか。国が主導で宇宙事業を行なっているうちは、宇宙旅行が一般人の手の届くレベルに普及しないというのが起業家達の意見です。その理由を、宇宙技術発展の背景から見ていきましょう。

宇宙技術が劇的に発展したのは、ソ連と米国対立していた冷戦時です。実際に戦火を交えることのない冷戦は、自国の科学的軍事力をアピールする競争でもありました。

当初、宇宙技術で圧倒的にリードしていたのはソ連であり、1957年に世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功、続く1961年にはユーリ・ガガーリンによる人類初の宇宙飛行に成功したのです。これに舌を巻いた米国はアポロ計画を提唱し、総額250億ドルの国家予算をつぎ込むことで、人類初の月面着陸を成し遂げました。

このように、冷戦下に両国が莫大な国家予算を宇宙分野につぎ込み、競争し合うことで宇宙技術は飛躍的に向上したのです。

しかし、冷戦が終了すると彼らは膨大な予算を宇宙につぎ込む大義名分を失いました。それは、自国の国民に莫大な税金の使い道を説明できなくなるということです。

ただ、アポロ計画時の開発競争で恩恵を受けていた企業が多数存在していたため、宇宙開発を完全に打ち切ることができなかった両国は、公共事業として宇宙への投資を続けることにしました。

悲しいことに、宇宙開発が公共事業化し続けているうちは、技術が一般レベルに普及することはなのです。というのも、公共事業化すると関係者は、『より多くの予算を確保するために新しい技術を開発しよう』という方向になります。コストの削減は予算の縮小を意味するので、コスト削減を避けるようになるのです。

このような背景が、アポロ計画が終了してから30年近く経過しても、一般人が宇宙旅行を身近に感じられない理由です。

蛇足ですが、一方で予算縮小に伴い優秀な人材が一部流出したことは、スペースXをはじめ、いくつかの宇宙ベンチャーには好材料であった側面もあります。



既にお金さえ払えば誰でも宇宙に行ける時代、残る課題はコスト削減

スペースX社のファルコン9の打ち上げ写真



多くの起業家が宇宙関連のビジネスを立ち上げる理由は、彼らが子供の頃夢見た宇宙旅行が、国家主導では到底一般のレベルに普及しそうにないという事実に焦りを感じ、自らの力で実現させてやろうといった志に加え、大きなビジネスチャンスを感じているからです。

宇宙ビジネスというと、衛生の打ち上げおよび管理、宇宙空間での実験、新たなエネルギー資源の獲得、宇宙旅行など、様々な分野が考えられます。中でも宇宙旅行は、多くの起業家が注目している分野です。

一般的に、宇宙空間へ行くのは桁外れの頭脳と訓練が必要であると考えられがちですが、実はそんなことはありません。既に億単位のお金さえ払えば誰でも宇宙に行ける時代なのです。

事例としては、ジェイク・ガーン米上院議員、サウジアラビアの石油王子であるアルーサウド王子、高校教師のクリスタ・マコーリフなどが実際にスペースシャトルに搭乗しています。

また、日本人で最初に宇宙へ行った人間は、ソ連のソユーズ飛行船で宇宙ステーションへ行ったTBSの秋山豊寛記者です。彼は記者であり、宇宙飛行士になるべく特別な訓練を受けたわけではないのです。ちなみに、彼の搭乗費用は約15億円。

これは、お金さえ払えば普通の人間でも宇宙に行けることを証明しています。実際に宇宙旅行の代理店の米スペース・アドベンチャー社は、ロシアのソユーズ飛行船の座席を1020億円の間で販売していました(現在は3050億円程度)。内容は、ソユーズ飛行船でISS(宇宙ステーション)へ向かい、1週間程度滞在を楽しんでから帰還するといったもので、合計7人の富豪を宇宙へ送ったのです。

一方、ソユーズを利用した地球を回る軌道に乗る宇宙旅行とは別に、弾丸宇宙旅行があります。宇宙空間と定義づけられている高度100㎞へロケットで行き、無重力空間を数分楽しむといった簡易宇宙旅行です。価格は2000万円程度で、ヴァージン・ギャラクシーが実施した飛行には、海外の富豪数百人が予約したといいます。

このように、宇宙旅行の需要は確実に存在しているといって間違いないでしょう。起業家達はその需要の拡大にビジネスチャンスを感じ、その価格を下げることで、宇宙旅行を一般レベルまで普及させようと日々努力を重ねているのです。近い将来に、数百万円で地球の軌道に乗る宇宙旅行を実現することが彼らのゴールです。

国家主導の宇宙開発の限界、また宇宙旅行に対するビジネスチャンス、そして大きな夢。これらが、宇宙ビジネスに挑戦する理由なのではないでしょうか。残る課題がコスト削減なら民間の力でやってやろうということです。

我々が宇宙旅行に行ける日は、そう遠くないかも知れません。引き続き、宇宙ビジネスに挑戦する民間企業に期待しています!

 

2013年7月2日火曜日

IT業界の人にすすめる9つのYouTubeチャンネル、英語学習にも使える




皆さん、YouTubeチャンネル利用していますか?

YouTubeチャンネルとは、登録するとその特定の個人や組織から配信される動画をYouTubeのトップページで購読できるといった便利な機能です。

今回は、IT業界で働く方へおすすめしたい海外のYouTubeチャンネルを9つご紹介します。

The Verge

海外Techメディア、The Vergeの公式チャンネル。どれもかっこよく編集されていて、最新のテクノロジーの情報を飽きることなくチェックできます。

Google Ventures

海外でスタートアップへの投資事業を積極的に行なっている、Google Venturesの公式チャンネル。Startup Labでのナレッジ共有から、パートーナーとしてVCに参画している有名投資家のKevin Roseがスタートアップの創業者にロングインタビューをするFoundationなど、コンテンツが充実しているチャンネルです。

Tech Crunch

日本でもお馴染みの海外メディア、Tech Crunchの公式チャンネルです。更新頻度が高く、いち早く海外の情報を手に入れるにはもってこいのチャンネル。

LeWeb

年に一度、ヨーロッパで開催されるテクノロジーのカンファレンスLeWebの公式チャンネル。数々のアーカイブ動画を楽しむことができます。有名起業家から、最新のトレンドなどがチェックできるおすすめのチャンネルです。


Engadget

日本でも有名な、最新のガジェットを紹介するメディアEngadgetの公式チャンネルです。こちらは多少英語が苦手な方でも、見ているだけで楽しめるチャンネルだと思います。

Talk at Google

Googkeで行われたイベントのアーカイブ動画を配信してくれるチャンネルです。音楽家や環境問題など、様々なジャンルをカバーしているところが特徴です。

Tech Feed

ニュース番組形式で最新のテクノロジー情報を配信してくれるチャンネル。しっかり編集されているし、更新頻度も高いので毎日チェックしたくなります。

CNET

こちらも日本でお馴染みのメディア、CNETの公式チャンネル。大手の番組だけあって安定感があります。いつも良質な情報を届けてくれますよー!

Geek Lifestyle

こちらはおまけですが、Geekな番組主の1日をビデオカメラで撮影し、毎日配信してくれるといったエンターテイメント性のあるチャンネル。笑えます。


【追加】

Pando Daily


TechCrunchの人気記者サラ・レイシーが独立し立上げたメディア。彼女と起業家のロングインタビューに定評があるチャンネルです。

500startups


シリコンバレーを代表するアクセラレーターのひとつである500startupsの公式チャンネル。投資先のスタートアップの紹介や、カンファレンスのアーカイブなどを定期的に配信してくれます。

【追追記】

This Week in Startups

 
 
連続起業家であり、投資家でもあるJason Calacanisがホストを務めるチャンネル。起業家や投資家との対談が中心。SFで年に1度開催されるLAUNCH Festivalも彼が立上げた団体により運営されています。カンファレンスの内容もチャンネルからチェックすることが可能。


これらの番組は、英語を勉強しているIT業界の方にもおすすめしたい教材です。英語のリスニング学習を兼ねて、最新の情報を手に入れることができますし、何より興味のある分野のコンテンツが定期的に配信されるので、学習が長続きします。

以上、おすすめのYouTubeチャンネルでした。是非、気に入ったものを購読してみてくださいね。

【関連エントリ】
海外Techメディア一覧!世界のテックシーンを把握するのにオススメのメディア、全部集めました!