2013年4月27日土曜日

米国のソーシャルゲームはカジノへ、GREEの米国戦略から考える




先日、米メディアのGames Beatにて、GREE International CEO青柳直樹氏の米国戦略に関するロングインタビュー"Gree searches for the billion-dollar game from its swanky S.F. headquarters (interview)"が掲載されました。

(Games Beat記事より)

内容はこんな感じ。

①サンフランシスコのヘッドクォーターでは新たなサードパーティーの獲得を目的に1000万ドル規模の投資を行なっていること。(ちなみにSFオフィスには450名の従業員がいるとか、積極的に買収を仕掛けているだけあって意外といるのね)


②ソーシャルゲームプラットフォームOpen Feintを閉鎖したこと。


③DeNA、Electronic、Supercell、Rovio、Zynga、GungHoといったライバルに負けぬよう、エンジニアの獲得に注力していくこと


④カジュアル層からミッドコア、ハードコア層向けのゲームを充実させていくこと(タブレットが主戦場になる)


⑤海外戦略はアジアよりもまず米国西海岸を優先させること。(でもちゃんと韓国での開発も頑張っている)


⑥AppleやGoogle、カカオといったプラットフォーマーは、サードパーティーからマージンを30%ほど徴収するが、iモードを成功させたNTTドコモは10〜15%と低い徴収率であったため、サードパーティーが育ったこと。


⑦遅くとも来年までに年間で10億ドルの売上を計上するゲームタイトルを見つけること。


⑧キャラクターグッズやおもちゃなどでのマネタイズも考えていること。(クリノッペとか)


⑨マーケットの拡大が見込めるAndroidのタブレット端末向けの開発を優先すること。(ハードコア層向け)


⑩ソーシャルカジノゲームの分野にもいち早く参入しており、Android版の"Jackpot Slots"はGoogle Playでトップ20にランクインしていること。


⑪カジノ分野で他者にはない面白いマネタイズの技術があること。


⑫小さなゲームメーカーも支援していくこと。(米Kabamが日本のゲームメーカーの海外支援を目的に5000万ドル規模のファンドを設立した例などを挙げる)


⑬今年は米国市場でモバイルのゲームが熱くなること。



個人的に興味深いのがカジノゲームへの参入です。

日本のソーシャルゲーム業界は、パチンコ市場を食って成長してきた一面もあるので、米国でギャンブルを楽しむ層=カジノ市場を攻めるのは正解だと思います。(Zyngaのカジノシフトなどの例もありますし、カジノジャンキーも多いです)

また、日本のソーシャルゲーム勢が得意とするカードゲーム方式は、米国では日本のようにウケないという話を制作側の人間から聞きます。

というのも、米国でカード方式のソーシャルゲームを好むのは、紙のカードゲームをやり込んでいるオタク層らしく、中々一般層へスケールしていかないのが現状のようです。

なので、今後は米国に多数存在するハードコアゲーマー層にアプローチしたいみたいですが、やっぱり米国でガッツリ稼ぎたいならカジノ参入が手っ取り早いと思うなー。