2013年4月26日金曜日

19歳で始めたKiipが累計1500万ドルを調達、ブライアン・ウォンが教えてくれる大切なこと




先日、光栄なことに社会派おちゃらけブロガー、ちきりんさんのブログに本ブログがちょこっと掲載されました。

掲載されたのは、史上最年少の15歳でVCから資金を調達し、17歳で米Yahooに事業を売却したスーパー高校生ニック・ダロイジオ氏のエントリです。

ほんと、素晴らしいプロダクトの前では年齢なんて関係ないんですよ。

さて、今回も『これって本当にティーンエイジャー?』シリーズをお届けします。

今回取り上げるのは、2010年に19歳の若さでアチーブメント型広告事業Kiipを立ち上げた、ブライアン・ウォン(Brian Wong)氏です。


ニック・ダロイジオ氏が17歳で史上最年少記録を更新する前、彼が19歳で最も若い資金調達者として話題になっていました。

彼は、中国系カナダ人としてバンクーバーに生まれます。
2回もの飛び級を経て、14歳で高校を卒業、18歳でUniversity of British Columbiaを卒業する神童です。

卒業後は、アメリカ・カリフォルニア州に移り、ソーシャルニュースサイトを運営するDiggで働き始めるのですが、1年後にレイオフの一環で解雇されてしまいます。

これを機会に彼は東南アジアを旅し、その期間にKiipの事業を思い付いたそうです。
その後、当時史上最年少の19歳で、True Venturesやエンジェル投資家から計30万ドルの資金調達に成功。続くシリーズで、Verizon Venturesや日本のデジタルガレージ(Digital Garage)から総額1500万ドルもの金額を調達しました。




Kiipは、ユーザーがゲームをクリアしたタイミングに、実店舗で商品と交換できるクーポンを発行するO2O型の広告技術を提供しています。

Kiipは現在、900のアプリとパートナーシップを結んでおり、ディズニー、マクドナルド、ペプシコ、ソニーミュージック、など40を超えるブランドと取引があるようです。

日本でも、出資元のデジタルガレージの協力でローソンと提携し、いくつかのキャンペーンを実施していました。

デジタルガレージはKiipの魅力を以下のように説明しています。

『ゲームやその他のアプリを起動中に、ゲームのステージをクリアする、レベルが上がる、ハイスコアを出す、ポイント達成等、アプリ側で規定した目標値に到達した際(=「アチーブメントモーメント」)、ユーザーには達成感や幸福感が芽生えます。Kiipは、そのモチベーションの高いタイミングに、ユーザーメリットのあるクーポンやサンプル、プレミアムコンテンツ等の広告を露出させる事で、広告主とユーザーの間に深いエンゲージメントを醸成する事が可能となり、質の高いエモーショナルマーケティングを実現できます。共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングによるテストマーケティング(実施済)においては、CTR12%(他社アドネットワークとの共通指標であるCTRの約100倍)を記録しており、非常に高い効果を実証しております。』(『デジタルガレージ、スマホ向けリワード広告技術Kiipを活用したO2Oマーケティングを開始参照)


そんなブライアンは、小さな頃からコンピューターが好きだったらしく、7歳の頃から毎日いじっていたとか。特にゲームが大好きでほとんどの時間をゲームに費やしてきたみたいです。(このような経験がアチーブメント広告というアイディアに繋がったのでしょうか)

↑『あまりにもコンピュータばかりいじっていたので、親に隠されちゃったんだよ。』といったエピソードを投資家Kevin Roseとの対談で語っています。本当に好きなことをとことん突き詰める子だったようです。

ブライアンやニックの例が教えてくれることは、好きなことをとことん突き詰め、勝負することの大切さです。

これらのプロダクトを嫌々作らされていたら、17歳や19歳そこらでここまでのレベルのものを作り上げることは不可能でしょう。

この部分に関して、ちきりんさんがブログに綴られていた内容にとても共感できます。

『上記のイギリス人高校生を見ても、「いい大学に行くなんて、なんの意味があるの?」みたいになってきてる。それより自分の好きなことに思い切り熱中して、ここぞと思ったら大胆に勝負する、そういう姿勢が成功に不可欠。 いい大学からいい会社に入ろうとする保守的な人、すなわち、23歳から守りに入ろうとするような人が、10代から「自分で勝負する」生き方をしてきた人に、勝てると思う? 子どもを塾に通わせてせっせと「いい大学」コースを狙わせてる人は、マジで時代がどう変わろうとしているか、よーーーーーーーーく考えたほうがいい。 自分の子供にそんな保守的な姿勢を教え込んでしまったら、わざわざ“まったく時代についていけない人間”をつくろうとしてるようなもんです。』(『つながる世界のその先へ』参照)

本当にその通り。
好きなことを突き詰め、勝負する!
この2つの要素があれば、10代でも十分勝負できる時代です。

アスリートには、実力を披露し評価してもらうプラットフォームとしてオリンピックや選手権といった各大会が用意されているように、エンジニアには、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームがあり、彼らに対してオリンピックとしての役割を提供していように思います。

このプラットフォームを通じて、ビジネスの世界にも、どんどんニックやブライアンのような10代の勝負師が現れることを期待しています。面白い時代になったものです。


追記:先日、22歳の若さでCross Pacific Capital Partnersのアドバイザーに就任したとか。

追記:アルファブロガーちきりんさんからTweetを頂きました。うれしい!

大変参考になりました! RT : ちきりんさんのブログにちょこっとだけ掲載させて頂きました。引き続きシリコンバレーから情報をお届けします。RT つながる世界のその先へ! →  
4月30日
ありがとうございます。いつもすごく充実した内容ですね。楽しみにしています。