2013年4月19日金曜日

シリコンバレーの学生は起業にリスクを感じない?の真実




『シリコンバレーの優秀な学生の多くは卒業後に起業する』といった話を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。


日本でスタートアップ向けのアクセラレーターとして活躍されている孫泰蔵氏(ソフトバンク社長、孫正義の実弟)も、自身のFacebookでこう伝えています。



『昨晩ある米国のたいへん著名なインベストメントバンカーと食事をしながらいろんな話をしたのだが、その中でも次の話は非常に印象的だった。

「もともと米国の上位の大学ではいちばん優秀な学生は起業をし、その次に優秀な学生はベンチャーに就職し、優秀とは言い難い学生が大企業に就職するという傾向があったが、最近はその傾向にますます拍車がかかっており、昨年スタンフォード大学の学生にアンケートを取ったら、卒業したら全員起業すると言っていたそうだ。なんと全員だよ!信じられるかい?」(以下省略)』
http://goo.gl/iO9fX

この話しの真意は定かではありませんが、シリコンバレーに身を置いていた自身の経験からいって、これはまんざらウソではありません。
スタンフォードをはじめとした有名ビジネススクールの学生は、卒業後に起業するケースが非常に多いです。

というのも、たとえ彼らがスタートアップでポシャっても、簡単にFacebookやGoogleといった優良企業に就職することができるため、彼らはリスクなど感じません。

言ってしまえば、彼らは就職活動の一環で起業し、うまく行けば次のGoogleやFacebookを生み出し、下手こいたら今のGoogle、Facebookのような企業で働ける。これで人生御の字なのです。

あちらでの採用はほとんどが紹介であるのに加え、学歴至上主義がこのシステムを創り上げています。
『今、うちのボスが◯◯な人間を探してるんだけど、ウチに来ないか?君なら経験もあるし、有名なビジネススクールも卒業しているから安心して紹介できるよ。』
といった会話から採用がどんどん決まっていきます。

企業からしたら知人を介した採用の方が、腕の良い人材が見つかる確立が高いですし、知人を間に置くことで、何かあった場合の訴訟リスクを軽減させるといったメリットがあり、非常に合理的です。

このようなシステムがシリコンバレーのような活力あるスタートアップの生態系を生み出していると言えるでしょう。

シリコンバレーで挑戦をするのであれば、いかにこの生態系に入り込むかが非常に重要になります。

向こうで起業に挑戦したいのであれば、スタンフォードやUCバークレーといった名門ビジネススクールを挟むといった手段も考えられます。(今すぐやりたいアイディアがある人には遠回りになるのでオススメしませんが。)

また、海外で目立った学歴がない人間でも、良い形でスタートアップに挑戦できていたのであれば、たとえ失敗したとしても、その挑戦が評価され現地企業が受け皿になってくれる可能性もあります。

日本でも孫泰蔵代表率いるMOVIDA JAPANが、2030年までにアジアにシリコンバレーのような生態系を創るといった挑戦をされています。
http://www.movidainc.com/


今後、日本の優秀な人材も過度のリスクを感じることなくスタートアップに挑戦できる世界が実現すれば、次のGoogleやFacebook、SONY、Panasonicなどの企業がどんどん日本から生まれてくるかもしれません。ワクワクしますね!