2013年6月7日金曜日

50歳でブックオフ、71歳で俺のイタリアン、俺のフレンチを創業した坂本孝




シリコンバレーは、服装も歳も関係ない。スーツだろうがTシャツだろうが、10代だろうが60代だろうが面白いモノ作った奴が1番だ!という世界です。

ニックブライアンの記事で紹介したように、10代が本当に好きで作ったプロダクトに、おっさんがサラリーマン仕事で作ったものが勝てるはずがありません。

テクノロジーの世界においては、むしろ若いことが武器であると言っても過言ではないでしょう。

一方で、挑戦するのに歳は関係ないよね、と思わせてくれる日本の連続起業家が坂本孝氏です。


今回は、50歳でブックオフを創業、69歳でVALUE CREATE株式会社を設立し、飲食業界へ参入、71歳で立ち飲みレストラン、俺のイタリアン、俺のフレンチを創業した、超パワフル起業家である坂本氏を紹介します。

2勝10敗の起業家人生


坂本氏は大学を卒業後、実家の精米・精麦事業を継ぎ、その後12回の事業に挑戦した連続起業家です。

著書『俺のイタリアン、俺のフレンチ〜ぶっちぎりで勝つ競争優位性の作り方〜』では、12回起業した中で、成功と呼べるのは、ピアノの中古販売事業と、古本販売のブックオフだと言及しています。


中古ピアノ販売で培ったノウハウを、ブックオフで活かし、現在では全国1000店舗を展開する規模へと成長させました。今や書籍を購入する際は新品以外に古本も検討することが当たり前、新しい常識を打ち立てた、まさに我々の生活を変えた起業家です。

そして今、坂本氏は13度目の勝負を72歳の年齢で挑戦しています。

原価率60%以上!?ミシュラン三ツ星シェフの料理を客単価3000円で


坂本氏が、13度目の挑戦としてはじめる事業は、ミシュラン三ツ星シェフの料理を立ち飲み形式にすることで、客単価3000円で提供するといったものです。

立ち飲み形式にして店の回転率を上げることで、3万円のコースの料理を3000円で提供することが可能になるのです。現在提供されている料理のほとんどが、原価率60%以上というから驚きです。ちなみに、1日4回転するのであれば、原価率88%でも赤字にならないのだとか。(※3回転で原価率60%)

↑俺のイタリアン1番人気のトリュフとフォアグラのリゾットは1100円という驚愕の安さ

2度目の上場を目指す72歳の起業家


銀座を中心に、俺のイタリアン、フレンチを展開する坂本氏ですが、洋食以外にも、俺の割烹や、俺のやきとりなど、他ジャンルにも事業を拡大させています。また、フランチャイズ展開も開始するようです。

2013年度の決済では営業利益が1ヶ月2000万円を超えるなど、IPOが十分可能な数字を叩き出す同社は、2014年を目処に上場を準備しているのだとか。

70代の起業家が、異なった業種で人生二度目の上場を成し遂げる。夢のある話ですね。

日本からもこのように、歳は関係なく大きく事業に挑戦するプレイヤーが出てくるのは、本当に喜ばしいことです。

最後に、書籍で坂本氏が述べた印象的な言葉を紹介します。

『坂本孝のビジネス人生を総括するには時期尚早です。72歳ですが、まだまだ若造です。目下、全力投球で、俺の株式会社を完璧な会社にしようとしています。フランチャイズをはじめ、パリかミラノか、海外に杭を打つという目的もあります。更に、もうひとつくらい事業を起こしてみたいと思います。』


『私は、まだまだ夢を追い続けていきます。』


追記:坂本氏がなぜこの歳で、しかも経験のない業種で起業を決意したのか? どのように一流コックをスカウトしたのか? 創業者の3人は何者なのか?気になる方は書籍をお読みください!めちゃくちゃ面白いです。



特に面白かった節の見出しをいくつか紹介します。

フード原価率88%でも赤字にならない業態
→どういった計算なのか

16坪で月商1910万円を達成する
→飲食店を経営する友人からは月商の上限は350万円と言われた

料理人が抱える不満が、ビジネスモデルにつながった
→どのようにミシュラン星付きシェフを集めたのか
※今、日本で1番ミシュランの星付き料理人が在籍しているのだとか

出自の異なる三人の経営者でバランスを保つ
→飲食業界20年の経歴を持つ森野氏、証券業界出身の安田氏

銀座8丁目に集中出店する理由
→他に銀座8丁目で2店舗以上あるのはチェーンのコンビニくらい