2013年5月22日水曜日

たった2タイトルのみで四半期1.79億ドルを売り上げた驚異のゲームメーカーSupercell




先日、国内のソーシャルゲーム企業ガンホーの時価総額が1兆円を超えたと話題になりましたね。

海外のゲーム企業も景気が良く、フィンランドのスタートアップSupercellは、たった2タイトルのソーシャルゲームで今年の第一四半期に1.79億ドルもの売上を計上しました。

今回は、そんなイケイケなゲームメーカーSupercellを紹介します。

Supercellとは?


Supercellは、Ilkka Paananen氏(34歳)が2010年に立ち上げたスタートアップで、村を敵から守り発展させていくゲーム"Clash Clans"と、農場を経営するゲーム"Hay Day"が主力タイトル。

この2タイトルで、去年1億ドル、今年の四半期だけで1.79億ドルもの売上、また現在は日々240万ドルの収益を上げているというから驚きです。(収益方法はアイテム課金)

Supercellが提供するゲームのデイリーユーザーは850万人、プレイヤーは1日平均して10回プレイしているのだとか。

資金調達面では、Index VentureとAtomicoから1.3億ドル、その他VCからのものを合わせると、計1.42億ドルを調達しています。会社の評価額は7.70億ドル。

ファウンダーは、2004年にSumeaを600万ドルのキャッシュ+1200万ドル分の株式でDigital Chocolateに売却。同社で6年働いた後に、Supercellを創業した連続起業家(シリアルアントレプレナー)なのです。

タブレット・ファースト戦略


彼らは、タブレット向けのゲーム開発を第一優先とする戦略を掲げています。

Clash ClansやHay Dayはスマホでもプレイできますが、動的な要素が多いゲームですので、やはりタブレットの方がプレイし易いという印象です。

2012年の夏にローンチされた上記2タイトルですが、タブレット・ファーストの戦略が功を奏し、即時iTunesのランキングでトップ5にランクインしたのだとか。

自由にやらせ、失敗を讃える社風


Supercellでは5〜7人でチームが構成されており、ゲームのアイディアから制作までチームで自由に行うことができるのだとか。

仕上がったゲームは、まずカナダのiTunesストアで試し、数字を残すことができればグローバル展開にもっていくシステム。

失敗に寛容で、どこかのプロジェクトがポシャると従業員はシャンパンを開けてお祝いする文化があるみたい。

『私達は失敗そのものでなく、失敗から来る学びを称賛する。』とファウンダーのIlkka Paananen氏はForbesの取材で言及しています。

アジア展開とIPOを見据える 


現在イケイケのSupercellは3年以内にAndroid版の提供やアジアへの拡大、そしてIPOも計画しているそうです。

うーん、モバイルやタブレットの普及に伴い、まだまだゲームは儲かりそうですね。

先月のエントリ『米国のソーシャルゲームはカジノへ』で取り上げたように、GREEも米国戦略としてタブレット端末の強化を公言していますし、ミドルゲーマー層向けのタブレット端末でプレイし易いゲームは今後のトレンドなのかも知れませんね。

今後の日本勢に期待しています!

参考文献:『Is This The Fastest-Growing Game Company Ever?』(Forbes紙)

【追記】ソフトバンクとガンホーが約1500億円でSupercellを買収。(2013年10月15日)