2013年5月20日月曜日

Amazon創業者ジェフ・ベゾスは起業するために就職を選んだ




書籍や音楽のみならず、食品、ファッション、家電など幅広い商品を取り揃え、ECの象徴になりつつあるAmazon。その他、クラウドホスティングサービスKindleの開発にも力を入れている企業です。

Amazonは1994年7月に、当時30歳のジェフ・ベゾスによって創業されました。(設立当初の社名は『カダブラ』)
その後、ドットコムバブルの波に乗り、1997年5月に株式公開、上場以降は利益をほとんど出さないにも関わらず(売上のほとんどは投資に回す)、2012年度末にはおよそ1200億ドルの時価総額をマークしている物流ITのインフラ的企業です。

さて、30歳で事業を開始したジェフですが、GoogleやYahoo、Facebookのような学生起業のサクセスストーリーとは少し違う印象を受けます。

今回は、地球最大の書店を創り上げたジェフ・ベゾスが、起業するまでにどのような経緯を経たのかについて取り上げます。

起業をするためにまずはビジネスを学ぶ


米国フロリダ州でトップクラスの4年制高校マイアミ・パルメット高校に進学したジェフは、3年生の卒業直前の夏休みを利用してサマースクール(塾のようなもの)を立ち上げました。これが、彼のはじめて取り組んだ事業で、地元の新聞にも取り上げられたのだとか。高校生の頃から商売に興味があったことが伺えます。(※また、高校生の頃は宇宙が大好きだったとか)

高校を卒業後、プリンストン大学に進学しコンピューターサイエンスと電気工学の学位を修得。在学中は、プログラミングやハッキングに夢中になっていたのだとか。

ジェフは、卒業と同時に起業を考えていたらしいですが、『最終的にはもう少し後回しにして、まずはビジネスや世界の仕組みを勉強した方がいいと考えたのです』と書籍『ワンクリック』で言及しています。

実際には、どういう企業を興せばいいのか(興したいのか)も分かっていなかったようです。

こういう心境の学生って最近増えてきていると思います。

将来自分の会社を持って挑戦したいけど、今するつもりはなく、まずは就職を選択するといった学生です。

そもそも、起業のタイミングなど人それぞれなので、やりたいことが今あってどうしてもやらずにはいられないのであれば、今すぐやるべきですし、そもそもアイディアがない(したいことがない)、もしくはどうしても準備が必要だと考えるのであれば、就職すべきでしょう。これに答えはないので、自分で考えて各々のペースでやるのが1番です。

15歳でSummlyをした起業ニック・ダロイジオ氏の例もあれば、50歳でブックオフ、71歳で俺のフレンチ・イタリアンを開業した坂本孝氏の例もあります。

ジェフ・ベゾスに話を戻しましょう。
要するに、ジェフも最近のスタートアップ志向の学生同様、将来の起業を視野に入れて就職を選択したのです。(※インテルやAT&Tの研究所であるベル研究所のオファーを辞退)

26歳で最年少の副社長に


ジェフは、創業間もなくリスクが大きいスタートアップを志望し、コロンビア大学経済学部の教授が創業したフェルティナに11番目の社員として就職します。

フェルティナは、まだインターネットが普及していない時代にその簡略版を作ろうとした企業で、ジェフは証券会社や投資銀行が持つコンピューターをネットに繋ぎ、株の取引を行えるようにするシステムの構築に携わりました。

入社して1年もしないうちに事業開発のアソシエーツディレクターに昇格、実質ナンバー2のポディションに就きます。しかし、その1年後に退社し、バンカース・トラスト(金融システムの企業)に転職しました。

驚くのはその昇格の早さ、入社10ヶ月後には26歳でバンカース・トラストの最年少副社長になったのです。

その後、デビッド・ショーが立ち上げた、D・E・ショー(これも金融取引を支援する技術系企業)に転職、同僚の紹介でAmazonの共同創業者となるシェルダン・カファン(エンジニア)と出会うと、1994年にAmazonの前身となるカダブラを設立しました。

イケてるスタートアップに就職するという選択肢


まとめると、ジェフはテクノロジー系のスタートアップ(主に金融系)3社で、技術とビジネスについて実践を通じて学びます。また、22歳にして実質ナンバー2、26歳にして副社長に就任するほどですから、結果もしっかり残しているわけです。(しかも、多額の収入が得られる副社長というポディションを自ら降りるリスクテイカー)

実力主義のスタートアップの環境で凌ぎを削り、培ってきた能力を活かして自ら起業する!これがジェフが歩んできた道なのではないでしょうか。

優秀な学生が、将来は起業したい!ただ、今すぐ起業するつもりはない。と考えるなら、こういった道を歩むのもひとつの手です。

シリコンバレーでは、優秀な学生に『起業しろ!もしくは、イケてるスタートアップへ社員番号ヒト桁の段階で就職しろ!』というアドバイスを送るのがお約束。

筆者は、数ある優秀な日本のスタートアップの中から、今回はテラモーターズを推薦します。

テラモーターズは、徳重徹氏が2010年に設立した電動バイクのメイカーで、ソニー元会長の井出氏、GoogleJapan元代表の辻野氏、AppleJapan元代表の山元氏などの個人投資家から資金を調達していることで有名です。

 

日本国内の電動バイク売上シェアはヤマハを抜いてトップ。
生まれた段階からグローバル志向の強いスタートアップで、既にベトナムやフィリピンに支社を構え、販路拡大に勤しんでいます。(詳しくは別のエントリーで紹介する予定)

筆者がこのスタートアップをお勧めする理由は、創業者の志がデカイことに加え、若手の登用に積極的であるからです。

代表の徳重氏は、次のSONYやホンダを創るという志のもと、端から世界の市場で稼ぐことを公言し、実践しています。こういうスタートアップって日本に中々ないですよね。(まだ社員数は10〜20人程度)

また、積極的にインターンを受け入れており(ただし内容は相当タフで1週間に6日勤務、1日12時間以上の勤務は当たり前だとか)、結果を残したインターン生を採用しています。
実戦で評価された人材が採用されることもあり、入社1年目(むしろインターン時)から最前線で働くことができるのです。
また、入社2年目でベトナム支社長に任命された人間もおり、実力次第でガンガン責任のある仕事を任せてもらえます。

世界で稼ぐ気概のある学生は是非挑戦してみてください→エントリーはこちら

これから世界に挑戦する優秀な学生達に期待しています!

追記:『懸命に働き、楽しんで歴史を作れ』(Amazonのモットー)カッコイイ!

今回紹介した、ジェフ・ベゾスの経歴は、書籍『ワンクリック〜ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛』を参照しました。
あまり語られることのない、ジェフ・ベゾスの生い立ちやキャリア、またジェフがどのようにAmazonの事業を創り上げてきたのか、その情熱と苦悩が綴られています。


ジャーナリストが出版した著書なので、どこまで事実かは分かりませんが(※リチャード・ブラントはシリコンバレーで実績のあるジャーナリストです)、Amazonの理解を深めるには現在1番適した書籍です。興味のある方は、是非一読してみてください。